HBのとってもくわしいドラムレビュー

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ドラムスコHBがさまざまな楽曲のドラムプレイをとってもくわしく解説する

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Prince - The Everlasting Now のあまりの凄さに戸惑いを隠せない


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レインボー・チルドレン

レインボー・チルドレン

 

 

Princeですよ。元Princeじゃないんですよ。ハマアユみたいな謎の記号ではないんです。とにかく元に戻ってよかったです。

Prince のアルバム「Rainbow Children」でドラムを担当するのは、楽器をほとんど所持しない私がシグネチャーモデルのスネアを持っているほど好きなJohn Blackwellだ。それではこのアルバムから「The Everlasting Now」をとりあげてみよう。

広いスタジアムでオーディエンスが歓声をあげているようなサウンドイフェクトから始まり、こんなピックアップソロからスタートだ。

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そして直後から始まる基本パターンが注目ポイントだ。

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なにがスゴイかというと、その不思議な左右の手順だ。このような裏拍でハイハットをオープンするディスコ風のパターンにかぎらず、多くの場合ハイハットを叩くのは右手で、スネアが左手だ。一方ここでは、そのハイハットとスネアを(おそらく)全部左手で処理し、そして右手はフロアタムで曲を特徴づける印象的なハネるフレーズを織り込んでいるのだ。右手と左手の状態はおそらくこうなっている。

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ロックドラム等の一般的な手順や体の動かしかたと比較すると、かなりバランスをとるのが難しいのだが、しかし彼は難なくやり遂げるッ。自然にやり遂げてしまうのである。

こ の曲のほかにも、どうやってバランスをとっているのか皆目わからない摩訶不思議ドラムパターンが飛び出したり、こうなったり、ああなったりで、クソ真面目な優等生ドラマーの常識を覆すのでした。摩訶不思議なのにゴキゲンでグルーヴィー、それがJohn Blackwell。シグネチャースネアには、John Blackwellのイニシャル「JB」というロゴがデカデカと入っているので、初めて見た人にJames Brownですか?」と必ずきかれてしまうが、不思議ちゃんJohn Blackwellはそんなことは気にしない。

 

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