HBのとってもくわしいドラムレビュー

HBのとってもくわしいドラムレビュー

ドラムスコHBがさまざまな楽曲のドラムプレイをとってもくわしく解説する

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吉田美奈子 - 恋は流星 は、いつもあなたのそばにいる


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先日に衝撃のニュースが。2021年3月9日に村上ポンタ氏が亡くなってしまったのであった。大きなショックであった。ここ4、5年のうちに、自分が若い頃に憧れた人が亡くなることが多かった気がする。大変悲しいです。追悼ということで今回ポンタ氏のプレイをチェックしてみたい。

以前のポンタ氏に関する記事はコチラ 

 

山下達郎ロングインタビュー

ポンタ氏を追悼する記事やニュースが多数あった。なかでもこちらの山下達郎氏のインタビューは必読である。

山下達郎ロングインタビュー#1

山下達郎ロングインタビュー#2
山下達郎ロングインタビュー#3

どんなミュージシャンだったか、日本の音楽業界におけるポンタ氏の存在感、ほっこりエピソードなどが語られていた。知らなかったことばっかりで大変に興味深かった。そしてこのインタビューにおいて山下達郎氏が思うベスト・ドラムが判明。

「ポンタのベスト・ドラムはこの1曲」!

山下達郎ロングインタビュー#3 - 5ページ目

――それでは最後の質問です。達郎さんがポンタさんと共演された曲の中から「この1曲」を挙げるとすると。

山下「1曲だったら、美奈子の『恋は流星』かな。あれ、ダブル・ドラムスなんですよ。本当に素晴らしいと思う」

吉田美奈子の「恋は流星」である。

恋は流星 - Wikipedia

ドラムが目立っているということは、おそらくには恋は流星の「Part II」のことを言っていると思われる。日本を代表するベテランミュージシャンがベストと呼ぶ一曲。「本当に素晴らしいと思う」という一曲。これまで聴いたことはなかったがこれは確かめるしかない!

吉田美奈子 - 恋は流星 Part II

恋は流星のPart IIは「RCA best collection」に収録されている。

吉田美奈子 RCA BEST COLLECTION

吉田美奈子 RCA BEST COLLECTION

  • アーティスト:吉田美奈子
  • 発売日: 1999/04/21
  • メディア: CD
 

冒頭からドラムがこう始まる!

 (0:00-)

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16分音符がハネたスウィングとなっている。が、ところどころイーブンになっていたりして楽譜に起こしにくいところである。微妙であり絶妙なスウィング。以前のこの記事の絶妙グルーヴとも共通点があるかもしれない。 

4小節目最後のフィルがタムの音圧があって非常に良い。また、直後の5小節目のアタマ含め、すべてのシンバルの音色がすばらしい。極めて迫力ある音である。ダブルドラムス、と山下達郎氏が言っていたのでなにか音が重なっているのかも。普通のクラッシュシンバルの音ではない。この音が手軽に出せるシンバルがあったらほしい!

グルーヴの要は実のところドラム単体でなく、よく浮き上がって聴こえてくるベースのリズムの要素が大きいのではないかとおもう。ベースの |デ・・・・・・デ|デ・・・・・・・|(点一つで16分音符一つ)における、この連続の「デ|デ」がグルーヴを強く推進。4小節ごとに繰り返される|デーーデーーーー|デ・デ・・デーー|のキメもたいへんに心地よい。(聴かないとわからないのでぜひYoutubeなどで探して聴いてください!)

曲を、歌をしっかりと聞いてドラムを演奏していこう

次にサックスソロに入る前の部分。

(1:22-)

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上記の4小節目までで曲が一巡。5小節目で一旦静かなパートになる。ハイハットチキチキでは、スウィングではなく完全にイーブンである。別の場所ではところどころスウィングだったりして、事前にどのように決めてバンドメンバーが合わせていたのか分からない。ドラムやベースの流れ(気持ち?)に合わせると決めていたのだろうか。

サックスソロの直前には一時的に2/4が挿入されドラムフィルイン。次の熱いソロの展開につなげるために、もっと激しく盛り上げても良さそうなところでのこのフィルインシンプルに|タ・タ・タチーー|。これだけ。私が非常に好きなタイプです。コチラの記事で言及しているものである。 一時的な2/4がただ好きなだけかも。

オープンハイハットを伸ばしてフィルインが終わりとは恐れ入りました。このあたりが、いつも手数が多いのにここぞというところで抑制していると言われるゆえんだろうか。こんな抑制プレイを繰り出せるよう、曲を、歌をしっかりと聞いてドラムを演奏しようと思ったのであった。

ドラムレビューは一旦休憩

ドラムレビューを始めてからなんと約6年があっという間に過ぎていて驚いた。今年はあたらしいことを始める必要がある。Youtuber活動も始まったのと、仕事のキャリアについて少し考えるなどで、ブログは一旦休憩。バンド活動は変わらず。レコーディングして音源を作り終わって、5月は久々にライブもやるから見に来てね!おしまい