HBのとってもくわしいドラムレビュー

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ドラムスコHBがさまざまな楽曲のドラムプレイをとってもくわしく解説する

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ゼロから始める Frank Zappa - City Of Tiny Lights 入門

今回はまたまたFrank Zappaからご紹介!アルバムPhilly '76より、ロック的楽曲においてこんな風にグルーヴィーなプレイがありえるのだと改めて感じたCity Of Tiny Lightsを確認! 

Philly '76 (Live At Spectrum Theater, Philadelphia,PA/1976)

Philly '76 (Live At Spectrum Theater, Philadelphia,PA/1976)

  • 発売日: 2017/03/24
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

City Of Tiny Lightsもまた多数のアルバムに多数のバージョンが収録されている。

City Of Tiny Lites - Zappa Wiki Jawaka

最初のリリースはおそらくアルバムSheik Yerboutiと思われる。そして今回のPhilly '76に収録のバージョンが最も勢いがあると思う。

本曲でとにかく聞いていただきたいのは実のところEddie Jobsonのクラビネットである。これにより曲の勢いがいきなり冒頭から最高潮になっている。これはヤバい。細かな音符で正確に打ち出すタイム感が本当にすばらしい。そこにさらにこのようなドラムのパターンが勢いを極限にまで高める。それがコチラ!

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4小節目の最後からクラビネットが入る。この一瞬のクラビネットだけでこのあととんでもないことになると確信する。すぐに9小節目からのイントロに入ったところで、その確信がやはり正しかったことがわかる。

ドラムはパラディドルを使った感じのパターンとなっている。City Of Tiny Lightsの曲の特徴的な定まった箇所にキックをいれる。これを保持しつつ、両手でパラディドルを使ってハイハットとスネアを入れる。時折「タチーー」とハイハットオープンしてみたりする。

両手は本作ドラマーTerry Bozzioの手癖と思われるパラディドルの組み合わせだハイハットが右手でスネアが左手が固定なので蛇足かもしれないが手順を書くとこうなる。

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その後はRay Whiteの超絶技巧ボーカルとか、Ray Whiteがギターソロを弾きながら同じ音で同時に歌うとか、Ray Whiteが超絶技巧とか、超絶技巧とかが繰り広げられる。

このグルーヴにはこの速いテンポが必要なので、長い楽曲のなかで気を抜いてモタったりしないよう気をつけないといけない。でもきっとEddie Jobsonの容赦ないクラビネットが勢いをキープしてくれるに違いない。もしかしたらドラムプレイはどんなであろうと最高潮の勢いとなってしまうのかもしれない。もっていかれ、のせられること必至。こんなクラビネットと一度合わせてみたいものだ。

Steve Vai - The Audience Is Listening を人生にたとえたら、大げさでしょうか?

今回は僕の永遠のギターヒーローSteve Vaiが再登場!伝説のアルバムPassion and Warfareから、この曲The Audience Is Listeningを確認してみよう!! 

パッション・アンド・ウォーフェア

パッション・アンド・ウォーフェア

 

最初は以下のような先生と生徒とのトークから始まる。

先生「スティーヴィー、緊張しなくても大丈夫。先生が教室に入ってあなたを紹介するから、ギターを持って入ってきて。とってもすごいんだって、この前先生に教えてくれた曲を演奏するんだよね。そのあいだ先生は後ろで見ているよ。すごくいいと思うから、緊張しなくても大丈夫。みんなリラックスして、とてもいい気分になると思うわ。それじゃあ教室に入って紹介するわよ。」

先生「はい静かに!!みんな聞いてー!自分の席について!これからスティーヴィー・ヴァイがギターで曲をひとつ演奏します。全部自分で作った曲なんですって。はいスティーヴィー、3人のお友達も一緒に入って演奏しましょう。それでは、スティーヴ・ヴァイの登場です。なんて良い子なんでしょう!」

生徒「みんなのためにこの曲を作ったんだ。おとなになったら有名なロックンロールのギター奏者になるんだ!」

先生「それはいいわね(笑)それではどうぞー。」

生徒「これは僕のワミーバー。ちょっとうるさくなるよ。」

(曲開始)

先生「騒がしくないですか?おーい、音が大き過ぎますよ!おーーい!!」

といった流れで、かわいい生徒がかわいく演奏すると思ったら、先生の想定を超えて激しすぎて先生ビックリでみんな大騒ぎで収集つかないといったストーリーとなっている。記憶が確かなら、先生役で声の出演をしている人は、本当にSteve Vaiの子供の頃の(担任の)先生だったようである。

上のストーリーでいうところの「ちょっとうるさくなるよ。」の直後からテンポが生じて曲の始まり。ストーリー上、うるさくしないと先生の想定とのギャップがでないので、ドラムはこんな感じでうるさく始まる。ドラマーはChris Frazierだ!

(1:07)

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最初の6連符が両手だけ、次の6連符は両足と両手で。2つの6連符のすべての音を埋めてうるさくする。4小節目までまったく同じ形。余談だが、とあるスタジオで練習した時のこと。そのスタジオは終了時間が来ると部屋の照明をフラッシュさせて中の人に知らせるシステムになっており、通常はフラッシュ一回ですぐに終了とわかる。以前にそのスタジオで時間が来てフラッシュ一回あったが、名残惜しいとおもったのでこの6連符のフレーズを激しく繰り返していたら「もう終わりだぞこのヤロウ!」と言わんばかりにフラッシュをパッパパッパ4、5回食らってしまった。終了直後にバンドメンバーがすぐに部屋のドアを開けていたので、受付の方までうるさくなってしまっていたのだった。ご迷惑おかけしました。

さてスタジオの受付の人がイライラするほどのうるさいパートが終わったあとは、ジャズ4ビートのようなチーチキチーチキのパートに変わる。

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楽譜のいちばん最初に指定があるように、16分音符2つを、3連符の1つ目と3つ目に読み替えるスウィングで演奏する。ここのギターが著しくカッコよいので、ここのギターを必死に練習してできるようになったのはいい思い出。細かい話だが、10小節目の最後と11小節目の最初にベルのような音が入っているが、これをチーチキチーチキと同時に鳴らすのはおそらく不可能なので後で重ねているものと思われる。

つづいて13小節目から重厚なギターリフが始まる。

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ドラムのほうはスネアとフロアタム同時打ち、またはスネアだけの極めてシンプルなプレイで重厚さを支える。そして本曲ドラムプレイの注目ポイント!

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25小節目からの基本パターンである。両足にてドッコドッコドッコドッコが登場。かなりテンポが速いため実奏はかなり大変である。演奏予定日に向けて体力をつけ、当日は気合を入れて臨まなければならない。16分音符のスウィングなので、スウィングでない楽譜上で書くとつまりこうである。

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諸説あるが、このプレイは左足を8分音符で踏み、右足で3連符裏を踏むのが標準的であると思われる。ハイハットを左足で8分音符で踏むのと同じ要領になるはずので、体のバランスがとりやすいと考えられる。もしかしたら逆がやりやすい人もいるのかもしれない。

この両足ドッコドッコドッコドッコのドラムパターンはVan HalenのHot For Teacherで使われていることで有名である。Steve VaiのこのアルバムPassion and Warfareのリリースが1990年、Van Halenのアルバム1984がタイトル通り1984年にリリースなのでHot For Teacherが先であった。それよりも前に使われたことはあったのだろうか。残念ながら確実な情報はない。実のところ自分はVan Halenをあまり聞いてこなかったので、このパターンに出会ったのは本曲The Audience Is Listeningが初めてであった。いずれにしても、近年にはまったく聞くことがなくなったツーバスパターン。おそらくはヒット曲で使われた最初で最後のケースがHot For Teacherとなるであろう。そういえばThe Audience Is ListeningもまたTeacherと関連しているのは、やはりSteve Vaiが先発のHot For Teacherに触発されて作ったからなのかそれとも偶然か。