HBのとってもくわしいドラムレビュー

ドラムスコHBがさまざまな楽曲のドラムプレイをとってもくわしく解説する


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せっかくだから James Brown - Sweet Soul Music について語るぜ!

やあ!ゴールデンウィークということでご機嫌いかが?すこぶる快晴なゴールデンウィークを過ごしているところ、ゴキゲングルーヴをきいてもっと快活に!今回は音楽のグルーヴを語る上で外すことのできないJames Brownの楽曲を聞いてみよう!!

 

ライヴ・アット・ジ・アポロ Vol. II

ライヴ・アット・ジ・アポロ Vol. II

 

 James Brownのライブ盤「Live at the Apollo, Vol. II」から「Sweet Soul Music」がこのところの快晴のような極上のグルーヴとなっている。Sweet Soul MusicはArthur Conleyの楽曲で、YoutubeにてArthur Conleyのバージョン(オリジナルバージョン)が聴ける。オリジナルバージョンからしすでに極めて上質のソウルなのであるが、Live at the Apollo, Vol. IIではJames Brownのバンドによってさらなるグルーヴを追加したカバー演奏となっている。

 

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最初は楽しげなホーンのテーマ。「Do you like good music」のフシの数が入り切らないのか、Aメロ直前に2/4がはさまっている模様。ここではその2/4のAメロ直前のドラムフィルがとってもイイね。スネアいっぱーーーつ!!ヘンにひねらない。シンプルに歌を聞かせればよいのだ。ということで私がプレイするときもスネアいっぱーーつのドラムフィルを多用している。

 

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次に、歌とドラムとパーカッションだけで掛け合いとなるところ(上記譜面の3小節目から)。歌が「gotta gotta feelin'」などなど変則的に歌うところでドラムのスネアバックビートもこれに合わせて大きく変化!JBの楽曲ではお馴染みのスリップビートがグルーヴィーに繰り広げられる。合間の軽~い「タッタカタッタカ」も爽やかである。このガタガタフィーリンのグルーヴを支えているのは、じつはボンゴであることがお分かりだろうか。よーく聞いてみると、この16分グルーヴはスネアのゴーストノートではなく、うすーく16分で演奏しているボンゴの寄与するところが非常に大きい。これが隠し味というものである。

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James Brownの楽曲は聴くべきものが非常におおいが、その中でも特に当ライブ盤「Live at the Apollo, Volume II」は、全てのミュージシャンが必ず聴かなければならない。楽曲構成、アンサンブル、テクニックも然ることながら、もはやエンターテインメントとはなにかを教えてくれる。イントロダクションの次の曲「Think」を聴けば、このライブに参加できなかったこと、この時代に生きられなかった自分の運命が悔やまれることであろう!

第壱話 Youtubeドラムプレイ映像、襲来

今回はおもむきを変え、Youtubeで視聴できるドラムプレイ映像を6件紹介してみよう!
全てのドラマーは今後のためにもすべて見ておいたほうがよい(断言)。

 

1. Aric Improtaの常識を覆すドラムソロである。ドラムソロ開始前、0:06をみるだけでもう既に常識が覆されていることが分かる。

2. 有名なドラマーが繰り出すスティック回し(Stick tricks、Stick twirling)を解説したもの。John Blackwell のスティック回しが説明されていて参考になった。

3. 有名な人たちじゃないらしいのが信じられない。彼らのなかではこの手数が平均的なのか!?全員が平気な顔をして当たり前のように手数が多い。

4. Buddy Richが亡くなる2ヶ月前のドラムプレイ映像。生涯に渡ってまったく衰えを感じさせないのが驚きだ。

5. Jojo Mayerのドラムソロ。前半はほとんどスネアだけを使って非常に多彩に表現をする。とくにブラシのプレイは必見で、ブラシで変化をつけたり何かを表現する方法がわからない私にはとても発見が多かった。

6. Steve GaddDave WecklVinnie Colaiutaの伝説的セッションだ。Youtubeのコメントには、誰が勝ったか負けたかといった内容で盛り上がったりもしている。スピードか、音楽性か、存在感か、色々な尺度があることが思い起こされる。

 

Youtubeを見始めると止まらないねー。一つ見終わるとサムネイルに気になる別の映像が、、、もちろんクリック。そうこうしているうちにあっという間に3時間とか。危険極まりない。ほどほどのところでやめられるか否か、Youtube視聴は自制心との戦いでもある。

Funkadelic - You Hit the Nail on the Head のカラクリを実際に検証してみた

雪が降ったりコートが要らなくなったり寒暖の差が大きい今日このごろですが、いかがお過ごしでしょうか。この度はファンクの代名詞から、できそうに見えて簡単にマネできないグルーヴを確認! 

Funkadelicの1972年リリースのアルバム「America Eats Its Young」。楽曲のなかでドラムが目立っていて、ドラマーにとって聞きドコロの多いアルバムである。14曲目の「Wake Up」の後半のグルーヴは必聴であるが、今回は1曲目の「You Hit the Nail on the Head」だ! 

 曲アタマからこんなプレイ!
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オルガンのリフ若干ワイルドなワウギターのカッティングとがからんで、独特の踊りたいグルーヴを産んでいる。ドラムパターン中のハイハットオープンのアクセントで食っているところからアウフタクトで曲がスタートしているのがいい感じだ。ライドシンバルをスティックでヒットしたときの硬い音があまり聞こえず、ライドシンバル自体の刻みでリズムは打ち出していない。一方でライドシンバルの広がる鳴りだけが聴こえ、どことなくゴージャス感が醸し出されている。

特筆するようなドラムパターンではないように思えるのだが、このファンキーさは一体どうなっているんだ!?しばらくきいてみて分かった。オルガンのスタッカートの効いたフレーズもさることながら、根本原因はこんな感じでほんのわずかに16分音符がハネていることだと考えられる

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本曲ドラマーの(恐らく)Ramon "Tiki" Fulwoodは意図的に狙ってはいない。しかし滲み出てしまっている彼の本能のグルーヴ。このタイム感が絶妙だったのである。

 


この絶妙パターンで楽曲は進み、2:54で急に取ってつけたようにゆったりした曲調に変わる。ユーヒダネェ~ルオーンダへェ~(You hit the nail on the head)などとダラダラと歌が入る。その後にスネアの「タッタカタ!」でシャキッと冒頭のパターンに戻る。急にまともになってファンキーさを取り戻す様子が非常にクールである。

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なお本曲の歌詞はこのようになっている。

You Hit the Nail on the Head
Just because you win the fight
Don't make you right
Just because you give
Don't make you good

You Hit the Nail on the Headてのは「キミ、まさに的を射たねー。」といった意味で、つづいて「争いに勝っても正しい訳じゃないんだよ。」などとあり、負け惜しみな感じがするが、何やら深いことを言いたいようである。当アルバム2曲目「If You Don't Like the Effects, Don't Produce the Cause」では、大きな問題には社会正義のため抗議するものの、自分自身の生活は何一つ変えない人々を批判しているらしい。その他の曲にも政治的・道徳的価値判断に係るメッセージがあり、この度Funkadelicは具体的に伝えたいことがある人達なんだということが分かった。ただ単純に楽曲自体の良さや、ブーツィー・コリンズの星型サングラスだけで語り継がれているのではなかったのである。

Z / Shampoohorn - Jesus Clone …悪くないですね…フフ…

再度Zappaの登場!だがしかしZappaはZappaでも今回はムスコのDweezil ZappaAhmet Zappaのほうだ!グループ名は「Z」でアルバム名は「Shampoohorn」である。 

Shampoohorn

Shampoohorn

 

 この「Z」のロゴ、よく見ると彼らの名前の頭文字「A」と「D」の文字が隠れているこことがお分かりだろうか。うまくできてるもんだね!

 

当アルバムではギターがDweezil、キーボードとギターとハーモニーの編曲(?)がおもしろハットでお馴染みのMike Keneally。ドラムはたくさん参加していて、Terry BozzioTal BergmanJoe TraversMorgan ÅgrenToss Panos(など?)。Terry Bozzioは曲で言うとRubberband、Bellybutton、Themの3曲でプレイしていると思う。意外とネット上にあまり情報がなく、またCDも手元になく、よく聞いていた当時に歌詞カード(ライナーノーツ)を読んだときの記憶が頼りである! 

この度はツーバスドコドコかつZappaらしい変拍子がはさまれた構成のJesus Cloneという曲を。ドラマーは不明! 

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冒頭はツーバスでドコタンドコタンのパターン。ちょっと変わっているなあと思うのは4/4と9/8が交互にやってくるところ。2~4小節目の「A」みたいな記号がついたところはシンバルを叩いた直後にシンバルをミュート、5小節目の丸がついたシンバルは、チャイナシンバルかそれっぽいトラッシュシンバルでお願いします!

 

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10小節目からの構成が一風変っている。4/4が1小節+5/4が3小節という構成だ。ヘンなの!各小節最初1、2拍目のシンバルでのアクセントのキメ部分以外はフロアタムやキックで低音調理。たまにシンバル、タム、キックのリニアフレーズがはさまれたりと、とても自由なうごきをしている。拍を見失わないか心配である。
18小節目からは4/4が続いてとても安心。そして重い、重たいぞ!ここはオープンハイハット4分音符での重厚メタルプレイのお手本である。右手左手がゆったり大きな4分音符をキープしつつ右足が忙しく間を埋め、ゆったりヘビーなメタルグルーヴを実現。そして26小節目からは、残念!またヘンな構成へ戻ります。

 

当アルバムの曲はメタルの方向性や語彙を基本につくられているものの、ハーモニーが美しい曲(Doomed To Be Togetherなど)があったり、聞きどころが満載。Jesus Cloneよりももっとキツイ変拍子の曲(Kidz Cereal、Shampoohornなど)があったりで、変わった拍子が好きなプログレさん、プログレちゃんにもオススメ。ヘンな構成の曲を聞いておもいっきり困惑しよう!