HBのとってもくわしいドラムレビュー

ドラムスコHBがさまざまな楽曲のドラムプレイをとってもくわしく解説する


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Incognito - She Wears Black に癒される女性が急増中

今回はIncognitoのアルバム「Beneath The Surface」より「She Wears Black」をおおくりしよう!

 

ビニース・ザ・サーフェイス

ビニース・ザ・サーフェイス

 

 

当アルバムはどこを聴いてもRichard Baileyの洗練されたプレイが爆裂。いつだって私のお手本になっているのです。

 

以前も数回取り上げているのでご参考。

yujihb.hatenablog.com

 

yujihb.hatenablog.com

 


さて、本曲冒頭のフィルインからの基本パターンはコチラ。

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わりと速いテンポに乗せて左足で常にハイハットを踏み鳴らしている。このテンポでこの8分の足踏みをやってみると、体全体を使ってノラなければならないことが分かる。シンプルエレピがなにげなく醸しだす緊張感の中で、右手左手右足左足を総動員で乱れずにコーディネートさせなければならない。意外に体力が必要なプ レイである。


ここでのポイントは、右手のライドシンバルの巧みな処理にある。4分音符のアタマはライドシンバルのカップを叩き、その全ての裏拍ではライドシンバルのカップ以外の部分を16分音符で2つ刻む。大きなタイム感では4分音符のきらびやかなカップの音色が目立つところ、裏の刻みが小さな音でわずかに聞こえ、クールに流れるようなグルーヴを生んでいる。これもやってみるとわかるが、右手はかなり忙しい動きになる。しかし彼のこのプレイは忙しさを感じさせない。これぞ、水に浮かぶ白鳥の水面下のバタ足!

本曲は他にも注目したいプレイがまだまだ沢山。また別途取り上げてみたい。

 

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そろそろ Stevie Salas - The Harder They Come が本気を出すようです

この虹色サイケデリックなジャケットを見よ!ということで、ヘビーでサイケデリックなギタープレイで人気のStevie Salasのかなり初期(デビュー?)のアルバム「Colorcode」から「The Harder They Come」を見てみるとしよう。

 

Colorcode

Colorcode

 

 

この曲は(16分音符2つ=16分3連符の1つ目と3つ目)つまりSwingで演奏する。楽譜にそれを示すアレを書くやり方がわからなかったので言葉で書きました。

 

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イントロ部分は上記のようにジャズでプレイするようなハイハットオープン・クローズのパターン。HeyだのAhだの、ゆるい合いの手。そして時が来て、ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ!極めてシンプルでストレートな男気あるキメで次のリフに突入!

 

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男気からの直後の基本パターンはこんな感じ。まず耳に入ってくるのは、滑稽なほどウザったい圧力あるサウンド!時代だね。音作りとしては時代を感じさせるものの、そのファンキーさは色あせていない。

また、Swingなので16分が二つ連続しているところは思いのほか間隔が狭いので注意だ。安定的なダブルキックが必要だ。その上、このファンキーなハネたグルーヴを発生させるためには、キチンとSwingの3連符の3つ目と次の1拍目とを踏み分ける必要がある。ワイルドなサウンドとは反して、割りとテンポの速い中で繊細なテクニックが求められるプレイなのである。

 

そういえば、ドラマーじゃないある人が「これは変拍子だ」と言っていたのを思いだす。決して変拍子ではないのだが、1小節目4拍目の裏のスネアのアクセントと、2小節目の8分裏のキックがそう感じさせる模様である。もしかしたら彼は変拍子」とただ言ってみたかっただけなのかもしれない。ちなみに、いろいろな(音楽的)バックグラウンドの人が「変拍子」と言うのを聞くが、自分のおもう定義と一致することが少ない。例えば、16分音符の連打を5つに区切ってアクセントをつけるなど、トリッキーなプレイを奏でたとしても、4/4である以上は変拍子ではありません。さてあなたの定義はいかが!?

 

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誰も知らなかった David Bowie - Heroes

今回は追悼という事でDavid Bowieの曲をとりあげてみよう。David Bowieの楽曲の中でも特に有名だと思われる「Heroes」だ!

 

ヒーローズ

ヒーローズ

 

このポーズもマネしたよねー。

 

私が高校生の時、たまたま友人に借りたDavid Bowieのアルバムを、訳もわからずなぜか集中して聞いていたことを思い出す。特によく聞いていたのはThe Man Who Sold the WorldChangesだったなあ。懐かしいなあ。そんな青春のアーティストが亡くなってしまうとは。一方で、昨月はこれまでの人生で経験のない最繁忙で悲しんでいる余裕はなかったのだった。

 

さて、ドラムのパターンは以下のような感じで、たまにハイハットがオープンしたり、あえて定形に揃えているタムを絡めたフィルインが入ってくる。ゆったりとした楽曲にマッチした穏やかさを感じるプレイである。

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ただ、今回実はドラムプレイが特段どうのということではない。
歌が一まわりした最後の「Just for one day」の直後。その金物が入ってくるタイミングにご注目だ。


(2:51~)

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キリの良いアタマの小節から入ってくるのではない。すこしフライングで入っているのだ!これにより間延びした感じが軽減されつつ、楽曲全体として過度に整列した感じが薄められる。言葉で表現するのは難しいが、なんと気が利いていること!

次の展開では、歌のメロディが全て1オクターブ上がり、突然心の叫びを吐き出すような感極まった盛り上がりをみせる。そして、私の考えるこの曲一番の感動のハイライト。タンバリンのカットイン!


(3:51~)

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ちょうど一分前の(2:51)と同様に歌が一まわりした最後の「Just for one day」の直後、すこし半端なタイミングで入ってくる。このタイミングがなんともいえず秀逸なのである。ただのタンバリンのはずなのに泣ける。聴いた時の体調によっては泣けてしまう。泣ける打楽器ってのはなかなかないよ。

また、あまり意識しないうちに一つづつ音が重なって、知らぬ間に多数の音が重なり盛り上がっていることに曲の後半で気づく、というサブリミナル効果もある。ちょっとしたパーカッションだが楽曲全体を彩っているね。

もしかしたら、私の感じる秀逸さがあまり伝わらないかもしれない。ちょっと今回は自信がない!

 

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マスコミが絶対に書かない Ojos de Brujo - Color の真実

最近はだいぶ古い楽曲が多かったので、もう少し近いところで見てみよう。といっても、もう10年くらい前のこと、にわかに一世を風靡したバンド、Ojos de Brujo(オホス・デ・ブルホ)である。なにしろ、ヒップホップとフラメンコが融合しているというのである。そんな彼らのアルバム「Techarí」の一曲目「Color」をおおくりしよう。

 

テチャリ(初回限定版)

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本曲を聞いてみると、まずもって拍子をとらえることが難しい。きっと拍子があるのだろうが、非常に混沌としたなかで楽曲が進んでいく。パーカッションやらなにやら多彩な音色が混ざり合っていて強いカオス感である。そんな混沌の中、整合性の光が一筋やってくるのが以下の部分である。

 

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6拍子のブリッジ的セクションである。ここへ来てどうやらこの曲は6拍子だったんだと気付かされる。なんとなく後ろの2拍が字余りな感じがしつつも、1小節目と3小節目が繰り返されていたり、洗練されたホーンのフレーズがキメられていて、しっかり計画的なセクションだということが分かる。 

 

ドラムのほうはというと、キックやハイハットオープンのアクセントが、ベースとホーンセクションのリズムにバッチリとキマっている。そのバッチリさ加減と同時に、シンバルの非常に爽やかなサウンドにも注目したい。ココ最近では一番好きな音だ。少し小さい口径のクラッシュシンバル、いや少し大きめのスプラッシュシンバルあたりだろうか。これは実に軽快ですな!真似してみたいサウンドである。

 

混沌としていて、4拍子になれている者からすると不思議なグルーヴをもった楽曲である。そんなグルーヴを生んでいると考えられるのが、好き勝手に入っているように聞こえる多様な楽器たちである。少なくとも、ベース、ホーン、2種類のカッティングギター、シェーカー、ボンゴ、ボーカル、スクラッチ謎のイフェクトがおのおの独自のリズムで重なっており、賑やかな祭り的グルーヴを醸し出している。そうなのだ、ドラマーがいくら上手くったって実現しないのがバンドのグルーヴ。ときには謎のイフェクトを演奏してもらうよう、バンドのメンバーにお願いしてみよう!

 

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Dream Theater - 6:00 だけど、質問ある?

プログレッシブロックプログレッシブとは進歩的な、先進的なという意味である。音楽を感情やフィーリングではなく、数学やパズルでとらえるようなヤツらがいる。そう、彼らの名はDream Theater音楽の先進を突き進む彼らのアルバム「Awake」から「6:00」のイントロに注目だ!

 

Awake

Awake

 

 

以下が「6:00」のイントロ。まずはいきなり難しいことになっている。右足左足32分からのタム回しで朝を告げる(曲名が6:00なので)。なお、曲中最初の語りの部分で「6:00 on a Christmas morning」と連呼しているので、どうやらクリスマスの朝6:00らしい。そのあとは自問自答するような意味深な歌詞が続いていくのだが、一旦深読みせずにそっとしておこう!

 

(0:00~)

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タム回し最初の32分音符2つは、そのタムのサウンドの粒立ちから推測するにシングルストロークであろう。つまり右右でも左左でもなく、右左の手順だ。そしてそのままシングルストローク(右左右左・・)で進んだ場合は、2小節目のアタマは左手でシンバルを叩く必要があるので注意が必要だ。あるいは、6連符のどこかお好きな箇所で右右か左左を一回はさんでおけば、2小節目のアタマは右手となり、バランスが取りやすいかも知れない。自分でかいておきながら、なんて細かい話だ!

 

2小節目からはAメロとして曲中数回繰り返されるパートである。ドラムパターンとしてはアクセントの位置が非常に独特である。このあたりの「ノレなさ」が音楽をパズルのようにとらえているかのようで、人工的な香りがする。けっして悪いといっているのでなくて、むしろ人工的で複雑な超絶プレイをドライにやってのけるところが彼らの魅力だ。5小節目は、変わったところにアクセントをつけながらの高速ストロークDream Theaterのヒゲ面(変態)ドラマー、Mike Portnoyがいとも簡単に涼しい顔でプレイしていそうである。この部分、完璧にプレイしてカチッと小節にハマったら楽しいだろうなあ。是非コピーやカバーをしてみたい。ドラムの技術的に難しい部分もあるが、それ以上に趣味が合うメンバーを探すことが難しい!(のは自分のまわりだけかな。)

 

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独学で極める Led Zeppelin - Good Times Bad Times

今回もまた古めの曲になるが、ロック界の始祖、Led Zeppelinのファーストアルバムから、Good Times Bad Timesをおおくりしようじゃないか。高度なドラミングの登竜門としてよく知られているこの曲だが、意外に知らない人がいるという報告を受けたので念のためご紹介だ!

 

 

登竜門といいながら、まともにプレイできる人は少数であることが予想される。なので、むしろ雲の上にある憧れの高み、ムリ目の目標というべきだろうか。なんと表現するかはともかくとして、できない人にはどうしてもできないこんなプレイだ。

 

(0:00~)

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ロックドラムの元祖とも言えるJohn Bonham、別名Bonzo のはち切れるプレイを体感いただこう。超有名なイントロ4小節のあとの基本パターンがまずスゴイ。左足8分でハイハットを踏みながらの、3拍目の右足3連打!なお、▶(三角形)の音符はカウベルである。ロックドラムの元祖のはずなのに、右手で刻むのはハイハットやシンバルでなくカウベルなのが少し意外である。そして直後がこちら。

 

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特にドラマー界隈では有名なのがこの「アタマ抜き3連」である。これに多くのドラマーは衝撃をうけたのである。そしてマネしようとして上手くできなくて悔しい思いをしたのである。しかし、本曲2分を過ぎた辺りでこれが序の口であることが確認できる。

(2:12~)

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「アタマ抜き3連」が3回くらいなら、コケそうになりながらもやり過ごせるだろう。しかし曲の後半ではこれでもかと連発!こんな恐ろしい楽譜はなかなかないね。ンドド・ンドド・ンドド・ンドド・ンドド・ンドド・・・・・・まぐれで上手くできるんじゃない。何時でもどこでも完璧に決まるのだ。雨でも風でも二日酔いでもできるんです。多くのドラマーは絶望し、匙を投げ、Bonzoを憧れの対象として崇めることとなったのでした。

ここで初めてJohn BonhamWikipediaで確認してみると、多くの有名ドラマーがBonzoを崇めているらしいことがわかった。特段、キックのプレイに言及はしていないが、その偉大さをなす要素の一つとなっているはずだ。

 

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シンプルでセンスの良い Sly & The Family Stone - You Can Make It If You Try

最近はめっきり寒くなりました。ちょっと前まで半袖で外を出歩いていたなんて信じられない。

さて、前回のつづきで、Sly & The Family StoneYou Can Make It If You Tryで注目すべきポイントを紹介してみよう。

スタンド!

スタンド!

 

 

前回の記事はこちら。

yujihb.hatenablog.com

 

次のパターンは、突然ドラムだけになってソロ的になっている箇所である。

(0:52~)

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1拍目2拍目のスネアのアクセントで変化をつけたパターンとなっている。Aメロへの戻りに向けてファンキーなオルガンやホーンとともに徐々に盛り上がり、ついに8小節目で32分音符連打で最高潮に盛り上げる。そして、Aメロへの戻りの一小節目一拍目は、なんとスネア一発!徐々に盛り上がった一発目にだ。私だったら、たぶん我慢できずクラッシュシンバルを引っぱたくに違いない。

 

続いてオルガン、ホーン、ギターが絡みあうバンド全体でのキメの部分。

(1:34~)

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キメのリズムと呼応してスネアやバスドラでアクセントをつけた複雑なパターンだ。なんといっても4小節目の最後。シンバルを叩いた直後、(恐らく)手でシンバルを掴んでミュートし、印象的ながらコンパクトに仕上げている。「キメのセクション終わりでーす。」といっているかのようだ。Aメロへのつながりも非常にスムーズなフレーズである。いったいどういう発想でプレイしたらこれが出てくるんだろうか。まとまっている。

 

この曲は短いながら複数の多彩なパターンやフレーズが登場する。ここで挙げている他にもまだあるので探してプレイしてみよう!

 

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