HBのとってもくわしいドラムレビュー

HBのとってもくわしいドラムレビュー

ドラムスコHBがさまざまな楽曲のドラムプレイをとってもくわしく解説する

English

スポンサードリンク

1年後に差がつく Frank Zappa - Andy


スポンサードリンク

米が買い占められる昨今

マスクやティッシュペーパーの買い占めが問題となっている昨今、ついに近所のスーパーでは米が買い占められる事態に!自身のバンドのちょい出演だけでなく、今年一番ビッグなマイルストーンとなる予定であったワンマンライブも敢えなくキャンセル。期せずして文字通り幻のワンマンライブとなってしまった。バンドで密集もできず濃厚接触もできないこんな世の中じゃ、オンラインで記事を投稿する他ない!

 

さて前回のつづきで、Frank ZappaのアルバムThe Best Band You Never Heard in Your Lifeから、Andyの興味深い部分をひきつづき確認!

Best Band You Never Heard in Your Life

Best Band You Never Heard in Your Life

  • アーティスト:Zappa, Frank
  • 発売日: 1995/05/30
  • メディア: CD
 

前回の記事はコチラ

これでもう一曲作れんでしょ!

曲の序盤がひと段落して冒頭のテーマに戻った次の展開。

(1:27-)

f:id:yujihb:20200329224252j:plain

f:id:yujihb:20200329224308j:plain

1~4小節目までは、本曲冒頭から登場しているテーマの部分。その次の5小節目から突然最高峰にゴキゲンなセクション。こんなところに8小節だけ挿入しないで、これでもう一曲作れんでしょ!といった感想を抱かざるを得ない超絶グルーヴ。その要素は次の3つ:

  1. キメのフレーズが明確で、ドラムやホーン等々が綺麗にアンサンブルしていること。上の楽譜のピンク色の音符がキメの部分に該当する。
  2. ピアノと、特にベースの活発な16分音符の動き。楽譜にできないので聴いてもらうしかないのだが、グルーヴを一つ高みに押し上げている。
  3. そして中でも最重要なのがなんとタンバリン!影の立役者、いや、もはやこの犯罪的グルーヴを作ってしまった黒幕。なんてことはない裏拍打ちであるが、要素1と2と絶妙に調和し極めて効果的である。感極まって蛇足と知りながら楽譜に起こす!

f:id:yujihb:20200329224325j:plain

逆に安心、変拍子定期

最初に貼った楽譜の一部だが、記事がだいぶ下へ来てしまったので、13小節目から再掲。

(1:50-)

f:id:yujihb:20200329235328j:plain

別の曲がつくれそうな8小節の直後は21/16のセクション。いつものZappaが出てきて逆に安心、変拍子定期。本曲で複数回登場するモチーフの一つである。まえの小節の最後の8分音符分から開始して、5つで区切ったような感じになっている。変拍子小節のアタマから変なものが開始するのではないのでとても合わせにくそうだ。ライブでここまで完全に合わせられるのは、まさにこのThe best bandだけであろう。

ミュージシャン殺しの緊張感のあるセクション

本曲冒頭のテーマの部分に似ているが、ちょっと異なる緊張感のあるセクションがその後に登場してくる。いつものことながら曲の構成が目まぐるしい。

(2:13-)

f:id:yujihb:20200329224405j:plain

フレーズが冒頭のテーマと似ているということと、その半端な小節数とがミュージシャン殺しのセクションである。1小節目、このセクションに入ったことをしっかり覚えていたのはドラムのChad Wackermanだけ。さすが。ほかの人は残念、覚えてなかったので音を出せませんでした。9小節目の3拍目もおしい、ドラムだけ正解。そして13小節目に冒頭のテーマと同じものに戻る。12~13小節目ではきっとChad Wackermanが「次だぞ、次。また間違えんなよ!?」とばかりにメンバーをニラんでいた、もとい、ガイドとなるべくアイコンタクトをとっていたに違いない。13小節目の4拍目のシンバルのアクセントの強さに、バンドメンバーの緊張からの解放と安堵が聞こえてくるようだ

 

3月下旬にあって今日は雪まで降って、感染症の恐れもあって近日は完全にインドアである。The best bandに少しでも近づくべく、早く外に出てスタジオに入り、ライブで演奏するなど、精力的に活動したいものである。