HBのとってもくわしいドラムレビュー

HBのとってもくわしいドラムレビュー

ドラムスコHBがさまざまな楽曲のドラムプレイをとってもくわしく解説する

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あなたが Boz Scaggs - Lowdown を選ぶべきたった1つの理由

オイーッス!!ある教育番組の冒頭で、オイーッス!!とあいさつするのだが、すこし粗野な言い回しと思うので、教育番組でこれを毎回繰り返すのが良く許可されたなあと思う今日このごろ。NHKも変わりつつあるのだろうか。 

みいつけた!うたってあそんで★オイース! ([バラエティ])

みいつけた!うたってあそんで★オイース! ([バラエティ])

 

 
その話とは無関係に、今回はBoz ScaggsBoz ScaggsといえばおそらくWe're all aloneが最も有名であるが、この度はドラマーJeff Porcaroを堪能するためにも、Lowdownのドラムプレイを確認!Lowdownは初回リリースはアルバムSilk Degreesで、またアルバムHITS!にも収録されている。このアルバムHITS!のジャケット写真もまた有名で、この服装とたたずまいをインチキマジシャンと称する人もいる。

ヒッツ!

ヒッツ!

 

 さてLowdownのドラムプレイは全編を通して2つの別録したドラムのトラックが重なっている。右と左に概ねキレイに分離されており、右や左にパンするか片方のイヤホンだけでそれぞれ聴いてみると分かる。曲イントロのプレイはこのようになっている。

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ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のドラマー」に選ばれているのも当然である。2つの別録したドラムのトラックなのに、イントロ部分だけでなくこの後もずっとほとんどズレることがない。推進力も落ちることはなくグルーヴィーで、歌ものとしての違和感がないのは驚異的である
すこし細かく言うと、右パートのスネアバックビート直後のスネアゴーストノートがなかなかにスゴイ。左手でアクセントを付けた直後に一瞬にして音量を落とし、かつシッカリと16分のタイムにノッたゴーストノート。熟練のダイナミクスコントロールである。また16分のキックも含め全ての音符が正確無比で盤石の安定性。何気ない風をよそおってこの正確さは異常。この譜面のような細かい16分音符のプレイを2トラックで録音してズレないというのは職人技である。ドラマー諸氏にはお分かりであろうが、別録トラックと常に完全に一致させるのがどれだけ大変か!2トラックを重ねようとなったら、一つのトラックでスネアバックビートを入れ、もう片方のトラックではスネアバックビートを避けたくなるのが人情と言うものであるJeff Porcaroそんな凡人を尻目に2トラック両方に録音!


そういえばボズ・スキャッグスとカタカナで書くとドコに濁点があるかわかりにくいね。ボズ・スギャッグス、ボズ・スキャックズ、ボス・ズキャッグス。なお、次の例は全て誤りだそうです:サンドバック、ドラックストア、アボガド、ビッグス粒子、デビッドカード、スティーブ・ジョブス、アイポット、ブルドッグソース株式会社、ビッグカメラボズ・スキャッグス濁音 - いじわるな検索にエントリーが必要である。

せっかくだから James Brown - Sweet Soul Music について語るぜ!

やあ!ゴールデンウィークということでご機嫌いかが?すこぶる快晴なゴールデンウィークを過ごしているところ、ゴキゲングルーヴをきいてもっと快活に!今回は音楽のグルーヴを語る上で外すことのできないJames Brownの楽曲を聞いてみよう!!

 

ライヴ・アット・ジ・アポロ Vol. II

ライヴ・アット・ジ・アポロ Vol. II

 

 James Brownのライブ盤「Live at the Apollo, Vol. II」から「Sweet Soul Music」がこのところの快晴のような極上のグルーヴとなっている。Sweet Soul MusicはArthur Conleyの楽曲で、YoutubeにてArthur Conleyのバージョン(オリジナルバージョン)が聴ける。オリジナルバージョンからしすでに極めて上質のソウルなのであるが、Live at the Apollo, Vol. IIではJames Brownのバンドによってさらなるグルーヴを追加したカバー演奏となっている。

 

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最初は楽しげなホーンのテーマ。「Do you like good music」のフシの数が入り切らないのか、Aメロ直前に2/4がはさまっている模様。ここではその2/4のAメロ直前のドラムフィルがとってもイイね。スネアいっぱーーーつ!!ヘンにひねらない。シンプルに歌を聞かせればよいのだ。ということで私がプレイするときもスネアいっぱーーつのドラムフィルを多用している。

 

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次に、歌とドラムとパーカッションだけで掛け合いとなるところ(上記譜面の3小節目から)。歌が「gotta gotta feelin'」などなど変則的に歌うところでドラムのスネアバックビートもこれに合わせて大きく変化!JBの楽曲ではお馴染みのスリップビートがグルーヴィーに繰り広げられる。合間の軽~い「タッタカタッタカ」も爽やかである。このガタガタフィーリンのグルーヴを支えているのは、じつはボンゴであることがお分かりだろうか。よーく聞いてみると、この16分グルーヴはスネアのゴーストノートではなく、うすーく16分で演奏しているボンゴの寄与するところが非常に大きい。これが隠し味というものである。

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James Brownの楽曲は聴くべきものが非常におおいが、その中でも特に当ライブ盤「Live at the Apollo, Volume II」は、全てのミュージシャンが必ず聴かなければならない。楽曲構成、アンサンブル、テクニックも然ることながら、もはやエンターテインメントとはなにかを教えてくれる。イントロダクションの次の曲「Think」を聴けば、このライブに参加できなかったこと、この時代に生きられなかった自分の運命が悔やまれることであろう!

第壱話 Youtubeドラムプレイ映像、襲来

今回はおもむきを変え、Youtubeで視聴できるドラムプレイ映像を6件紹介してみよう!
全てのドラマーは今後のためにもすべて見ておいたほうがよい(断言)。

 

1. Aric Improtaの常識を覆すドラムソロである。ドラムソロ開始前、0:06をみるだけでもう既に常識が覆されていることが分かる。

2. 有名なドラマーが繰り出すスティック回し(Stick tricks、Stick twirling)を解説したもの。John Blackwell のスティック回しが説明されていて参考になった。

3. 有名な人たちじゃないらしいのが信じられない。彼らのなかではこの手数が平均的なのか!?全員が平気な顔をして当たり前のように手数が多い。

4. Buddy Richが亡くなる2ヶ月前のドラムプレイ映像。生涯に渡ってまったく衰えを感じさせないのが驚きだ。

5. Jojo Mayerのドラムソロ。前半はほとんどスネアだけを使って非常に多彩に表現をする。とくにブラシのプレイは必見で、ブラシで変化をつけたり何かを表現する方法がわからない私にはとても発見が多かった。

6. Steve GaddDave WecklVinnie Colaiutaの伝説的セッションだ。Youtubeのコメントには、誰が勝ったか負けたかといった内容で盛り上がったりもしている。スピードか、音楽性か、存在感か、色々な尺度があることが思い起こされる。

 

Youtubeを見始めると止まらないねー。一つ見終わるとサムネイルに気になる別の映像が、、、もちろんクリック。そうこうしているうちにあっという間に3時間とか。危険極まりない。ほどほどのところでやめられるか否か、Youtube視聴は自制心との戦いでもある。