HBのとってもくわしいドラムレビュー

HBのとってもくわしいドラムレビュー

ドラムスコHBがさまざまな楽曲のドラムプレイをとってもくわしく解説する

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これからの Jamiroquai - Scam の話をしよう

 

ふるさと納税を限界ギリギリまで活用したい。そのため年末に今年の収入が確定するまでなかなか寄付先を決められず、先日に慌てて寄付が完了。結局、寄付額上限まで数千円だけ残しほぼフル活用でフィニッシュです。仕事も納めやっと落ち着いたので、また原点のアルバムの楽曲で少しチルアウトしてみたい!

Jamiroquai - Scam

それはこの曲、JamiroquaiのアルバムThe Return of the Space CowboyからScamだ。CDのライナーノーツ(歌詞カード)には確か「アーティストの意向で歌詞は載せません」と書いてあったと記憶している。当アルバムをよく聞いていた頃は、頑張って聞き取る以外に歌詞を確認する方策が存在しなかったが、今となってはいくらでもネット上にデータがある。デジタルネイティブ世代(?)がうらやましい限りである。本曲で何を主張しているのか、当時ちょっと知りたかった歌詞をいま読んでみたところ、特段隠すほどのことではないように思ったのであった。なぜ載せなかったのかな。とおもったら日本仕様だったらしい。

イントロパートがイイ感じ

さて本題!冒頭イントロパートの短い中にちょっとイイ感じのドラムのプレイがあるので見てみよう!

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最初から8小節目までは、クローズドリムショットで4分音符ですべて頭打ちしながら、ハイハットの「チッチッチッチッ」で8分でで刻む間にもう一打いれて「チキチッチキチッ」、としているのがオシャレポイントその1である。その間右足キックが16分音符裏に入ったりして結構コーディネーションが難しい。

その次はライドシンバルでの刻みとなるところ(9小節目から)。ストリングスの涼しげなメロディーに合わせクラッシュシンバル等でアクセントをつける。特にキックの位置がオシャレポイントその2である。16分裏に入ったりしつつ適度に空間があり、涼しげな中にファンキーな強いグルーヴが感じられる。ライドシンバルでの刻みといいつつ、実際はライドシンバルの音はほとんど聞こえないのだが、むしろそこが適度な空間を感じさせる要素となっている。

18小節目からは曲の基本パターン。今度はハイハットが「チッチキチッチキ」になる。冒頭からこの短い間で3つもの楽曲構成が登場し楽しませるつくりとなっている。うまくできているイントロですな~。必要十分な長さで印象的。音楽的にほぼパーフェクトなイントロの一つであることは間違いない。

平成の一番のハイライト

ところで、もうすぐあと4ヶ月ほどで平成が終焉の予定である。平成の一番のハイライトはJamiroquaiの登場であったので、それを記念して次の元号は傑米羅奎爾にでもなるとよいが残念ながら元号の条件をほとんど満たしていないので望み薄である。

James Brown - Mother Popcorn がまじ萌えることに今更気付いた

James Brown - Mother Popcorn (You Got to Have a Mother for Me)

改めてJames Brownを聞き返していたところ、このファンクグルーヴはどうやって生まれているのか確認したくてたまらず、自分でもやってみたくてたまらず、たまりかねて今回のエントリー!それはこの曲、Mother Popcorn (You Got to Have a Mother for Me) !1969年にリリースされ、James Brownの各種アルバムに複数収録されている。例えばベスト的な20 All-Time Greatest Hits!や、4枚組Star TimeのDisc 3 ("Soul Brother No. 1")等。ライブバージョンもまたリリースされているはず。 

Star Time

Star Time

 

基本パターン

Mother Popcornファンクグルーヴの王道を愉しめる、非常に魅力的なトラックとなっている。まずは一番際立って聞こえる、16分音符で鋭く合わせるホーンのフレーズだけで相当にファンクグルーヴである。本作のドラマーClyde Stubblefieldのプレイのほうはというと、

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ハイハットを常時4分音符で刻み、パターンの総体的なよりどころとタイム感を形作っている。ここを安定させたうえで、バックビートを4拍目ではなく4拍目裏へスリップ!ホーンももちろん合わせてツルっとスリップ。ファンクパターンの常套句。そして欠かせないのがスネアのゴーストノート。小さな音ながらしっかりと16分音符に乗せてホーンのリズムとも合わせる。なお、バスドラはほとんど聞こえないので、バスドラはこのファンクグルーヴの要素ではほとんど無いと思われる。

なんとなく、ほかにもまだ重要な要素があるような気がする、と、よーーーーく聞いてみると、なんと左手ミュートのギター、いわゆるギターのブラッシング(和製英語)がこんな感じで入っていた!

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隠し味!からみつくグルーヴはスネアゴーストノートだけじゃなかったのねー。

第2のパターン

上記のようなパターンを、何十小節もほぼ完全に同じように繰り返すJames Brownの歌のバックグラウンドトラックというべきか。そんなパターンが本曲ではもう一つだけ登場する。1拍目と2拍目にアクセントをつけたこんなパターンである。JBのほかの曲(例:Cold Sweat)にも出てくるのでJBはこのリズムが好きなのだと思う。

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(1:48-)

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赤い音符は冒頭パターンと異なる部分を示す。これも数回繰り返して、1:48過ぎでまたもとのパターンに戻る。戻った先の一発目はハイハットオープン、これだけ。あとはほぼ同じ。シンプル!本曲ではシンバルを一回も叩いてないと思われるので、もしかしたらシンバルがないドラムキットなのかもしれない。そうすると最大音量のアクセントは必然的にハイハットオープンとなるか。

これは世界を席巻するはずである。現代にまで語り継がれるはずである。そんな不滅のグルーヴを再確認することができた!

秋だ!一番! Frank Zappa - Muffin Man 祭り

Frank Zappa - Muffin Man

今回は、再度Frank Zappaのこれまた古いところ(1975年!)を聞いていたら気になったのでご紹介。需要は無いに違いない!

Frank ZappaのアルバムBongo Furyから、Muffin Man若さ溢れるTerry Bozzioのドラムプレイを確認だ! 

ボンゴ・フューリー(紙ジャケット仕様)

ボンゴ・フューリー(紙ジャケット仕様)

 

 若さ溢れるプレイ

冒頭はMuffin Manとの対話を交えてストーリーテリング。そして「Muffinが至高である...!」などと言って曲が始まるところ。

(1:24)

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なにが若さ溢れるかって4小節目と8小節目のこの6連符のシングルストロークひたすら連打である。できない人にはできない、できる人もちょっとくるしい中々のスピードである。極限まで空間を埋めんとする筋肉質なストレートさ。同時期のTerry Bozzioよろしく、上半身はやはり裸でなければならないので、ボディビルディングをして見た目も鍛える必要がある。実際にやってみると、スポーツで体をよく動かした後のようにかなり爽快な気分になる。空間埋めをやり切った感、次の小節の頭のシンバルにキッチリ到達してやった感。

どうやら魅力的なフレーズのようである

このフレーズは高校生の時などよくマネしていた。聞いているひとに「もう一回やって」と要求されることが多かったことを思い出した。シンプルながら、怒涛の連打とタムが上から下に流れるような感じとがどうやら魅力的なフレーズのようである。今参加しているバンドでも入れてみようかな。こんなスポーティーはプレイは体力のあるうちにしかできなそうなので!