The Isley Brothers - Fight the Power を聴けば、自信が生まれる
夏の終りに
昨日までがうそのように今日は涼しくなり、もうすでに夏は終わりのようである。時がものすごい早さで進んでいる感じがするのは、外に出ないことが多いためか、それとも加齢のためか。ジャネーの法則 - Wikipedia でもあるし、下記サイトにあるように狭い家の中にずっといるということも要因となるようだ。
大人になると慣れ親しんだ刺激の少ない出来事ばかりのため、時間経過に注意を向ける回数が減り、その分時間の進行が速く感じられるという。
広い場所にいるほうが、狭い場所よりも時間が長く感じられるとの実験結果があるそうだ。
さてそんな加齢が進んだわたしから、いにしえの、といったら大げさか、非常にクラシックなソウルミュージックのご紹介!リリースされたの45年前(1975年)!The Isley BrothersのFight the Power!!
The Isley Brothers - Fight the Power
極めてシンプルなリフに合わせてダンスせざるを得ない!聴いたことがある人はもちろん、初めて聴いた人であっても自動的に身体が動くレベルのグルーヴ!ドラムのほうはこのような感じである。
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赤色にしている音符のところがそのリフに合わせている部分のひとつ。フレーズにきれいに合わせて「・・・ド|ドドタド|ド」。これをずっと繰り返すので、耳に身体に残っていく。直後のフィルイン「・チータッタカ」も時折軽快に。ダンサブルにする隠し味的要素としては、バックビート(2拍目と4拍目)のところで常にハンドクラップが入っているのは大きいと思われる。
また、各小節の2拍目のバックビートのところ、スネアのアクセントと同時にキックしていることにお気づきであろうか。ピンク色にしているキックの音符のところである。取るに足らなそうに思えて、この押し進むグルーヴを生み出すポイントのひとつとなっている。バックビートとキックが同時というのは通常やらないので、押し進むグルーヴのひとつのアイデアとして確認しておきたい。
Fight the power ライブバージョンも同じく
ここで、突然別のトラックとなるがFight the powerのライブバージョンを合わせて確認してみたい。
ドラムはこんな感じである。
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原曲と違ってテンポがすごく早く、かなりエキサイティングである。原曲のように横に身体をくねらせてダンスするのでなく、縦に乗ってその場で小ジャンプしていくグルーヴである。言葉で表現するのはやはり難しく、書いていてよくわからなくなってきた。
このバージョンでも同じくバックビートと同時のキックが入っている(ピンク色の音符のところ)。ライブでもこれが保持されている。このFight the powerという楽曲のグルーヴを生み出すのに必要なキックであることは間違いない。その他の楽器と重なったり録音状態がわるかったりで、ところによりそのキックの音はほとんど聞こえないのだが大きな問題ではない。ドラマーがグルーヴを押し進めようとするその気持ちが大事なのである!!スピリチュアル?ブラック企業?いいえ、気持ちがスティックコントロール、キックのコントロールに影響を与えるのだ。
あなたが Prince - The Work, pt. 1 を聴くことは、未来につながっています。
この度はまたあの名盤から!それはもちろんPrinceのThe Rainbow Children!ほんとうにしつこい。しつこくなってしまうのは名盤過ぎるから。ストーリーを織りなす一つのセットとして、このアルバムを総合的に超えるものを近年聴いたことがない。バンドメンバーのB氏から、いまさらに本アルバムについて言及があって自分も再度聴き直したということもある。それよりもB氏、これリリースされたの2001年だぞ!いま2020年ですよ。万が一2020年に聴いている人は挙手のこと。
5年前に書いた記事でちょっと恥ずかしいが本アルバムの別の曲について書いた記事です。
さて本アルバムの中で唯一シングルとなっていた曲"The Work, pt. 1"を確認してみたい。ドラマーは、惜しくも3年前に亡くしてしまった、JBことJohn Blackwell。僕の永遠のヒーローです!There are no goodbyes, wherever you are, you will always be in my heart!
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イントロドンでPrinceシャウトでaawwww! 3小節目から基本パターンが始まる。16分音符のSwingで演奏。ドラムももちろんのこと、他の楽器も相互に高めあうことで生まれる極上のグルーヴである。ドラムパターンは一見普通そうだが、4拍目のバックビートがクローズドリムショットとなっている。これにより、少しだけ気持ちを抑えた全力を出さない雰囲気が生まれる。明日から本気出す。じゃなかった、次のサビで本気出すので、ここでは少し抑制するというメリハリプレイである。6小節目の4拍目がシンプルに4分音符だけになっていたり、その直後7小節目のアタマにアクセントがないのが静かでたいへんよい(譜面上ピンクの音符)。
つぎにサビの部分。こんな感じでパターンが変わる!
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ここは先程のSwingでなくて16分音符はこのままストレートに演奏する。一つの曲の中のAメロとサビでSwingフィールが変化するというのは珍しい。上記譜面ではゴーストノート含めて正確に書いていてゴチャゴチャしているので、エッセンスを抜き出してみるとこうなる。
これは普通じゃない。なんと2拍目と3拍目が3回繰り返されている!やはりJB、凡人とは発想がちがう。スネアアクセントの手順はRLだろうか、それともスネアアクセントの手順はLLで、右手はハイハット4分音符のみで大きくガイドしながら、空いているところにゴーストノートを左手でいれていく感じだろうか。自分がやるなら後者だが、どちらもあり得る。
中盤のソロ回しに入る直前におなじみフレーズが登場したので念の為採っておこう。
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こちらの2小節目の3、4拍目。得意ワザを無理矢理詰め込んだ感がある。だがそれがいい。「右手フロアタム+左手オープンハイハット」からの「右手スネア+左手オープンハイハット」そして「キック」の3打のフレーズである。からの、などといいながら、ゆっくりしている暇はなく、高速で右手を移動させるか、または高速でリストをひねる瞬発力が必要である。不思議な迫力があるフレーズなのでこれはぜひ頂いておこう。
そしてこの"The Work, pt. 1"の次の曲が実は本アルバム一番のハイライト。それでは、想像以上に凄いこの曲きいてくださいEverywhere!
なお「右手フロアタム+左手オープンハイハット」からの「右手スネア+左手オープンハイハット」のフレーズはEverywhereにも登場するので探してみて!
普通じゃ満足できない Lenny Kravitz - Where Are We Runnin'? マニアのあなたに
緊急事態ではなくなったようなのだが感染者数はむしろ増えていて、なんとも活動しがたい今日このごろ。気にせずこれまでのように活動できることを願いつつ、いま一度、シンプルなグルーヴを確認してみたい!
音楽界のLeonardo da Vinciこと、Lenny KravitzのアルバムBaptismよりWhere Are We Runnin'?という曲!
「Leonardo da Vinciこと」といきなり言われてもなんことやら。その場合はコチラの過去の記事をご参照
Where Are We Runnin'? 一曲まるごと公開!
なんと今回、本曲一曲のドラムをすべて採譜した。著作権等々がこわいところであるが蛮勇をもってすべて公開してしまおう!
そう、完全にずっと一小節目と同じなのである。冗談はさておき、聴いてもらえればすぐにわかるこの感覚はなんだろうか。超絶シンプルなプレイ。それでいて、そんなにテンポが速くないのに速く走っている感じ(テンポは130~131BPMの間のどこか)。We are runningな推進力のある感じはどこから来ているのか。
正解は、均等ハイハット
ハイハットに音の強弱をつけない、が正解でした。つい癖でハイハットに音の強弱をつけてしまうことがあると思うが、本曲の表情を決定付けてしまうので意識的に強弱をつけないように均等にすることが必須である。ここが最も重要である。もっというと均等にハイハットを打つ以外にこのような推進力を生み出す方策は端的に存在しない。したがって、次の譜面は本曲とはなり得ない。
明確に意識して次の譜面でなければならない。
力説しておきながら、あまりに全小節が同じなのでもしかしてうまく切り取ってループしてるかな?だとしたらちょっと残念。人間が演奏したものであってほしい。彼ならきっと切り貼りせず全部演奏していると信じています。
なおこちらでもしつこく同じことを主張しているのでご参考まで
ストレートで無感情なプレイヤー
またシンプルなプレイという観点では、彼のアルバム「5」に収録のStraight Cold Playerという曲において、同じく超絶シンプルなループを疑うプレイが登場している。
しかしそこでは均等ハイハットではなく、腕または手首をアップダウンさせた音の強弱とスネアのゴーストノートが入っており、We are runningな推進力という方向ではなくバウンスするという方向のグルーヴである。Straight Cold Playerというタイトルであり、プレイヤーを「ストレートで無感情である」と形容しているので、これも人間が演奏したものですよね?まさかDTMのループを「ストレートで無感情である」と形容しませんよね...?......私は彼を信じています。