HBのとってもくわしいドラムレビュー

HBのとってもくわしいドラムレビュー

ドラムスコHBがさまざまな楽曲のドラムプレイをとってもくわしく解説する

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結論:Prince - Everywhere が想像以上に凄い


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やあ!いよいよ暑くなってきて夏はすぐそこ、と思へば寒が戻り、衣替えすべきかそうでないか迷う季節ですね。


さて今回は、昨年惜しくも亡くしてしまったPrinceのアルバム「The Rainbow Children」からもう一曲紹介である。 楽器をほとんど所有しないわたしがシグネチャースネアを所持している、JBことJohn Blackwellのプレイを再確認するのはこの曲「Everywhere」。John Blackwellの摩訶不思議アドベンチャーを体験せよ!

 

レインボー・チルドレン

レインボー・チルドレン

 

 

以前の記事はコチラ。

yujihb.hatenablog.com

 
曲の始まりは、透き通るRhodesに乗せておねえさんの歌が透き通る。そこへベースが割り込んでいく。そしてデジタルかつ野蛮なオーケストラヒットが入ったら、ドラムのフィルインからイントロがスタート!

 (00:20-)

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特筆すべきは曲中で基本パターンとなっている5小節目以降のこのパターンである。非常に独特である。左足のハイハットが全て8分裏であれば、ありそうなパターンではあるが、ここでは2拍目裏でなくアタマに踏んでいて、ラテン風のようなそうじゃないような一風変わったものとなっている。一体全体どんなトレーニングを積んだらこうなってしまうのか、もはや不可解である。こんなに独特なのにヨレたりせず迷い無くプレイされているので、JBのなかでは自然なプレイなのかもしれない。

テンポがかなり速いので2拍目の右足ダブルもそうとうに大変だ。すくなくともわたしはこのスピードで一曲をとおしてキープできないと宣言しよう。堂々たる敗北宣言だ!



お次は、たいへん彩りがありエキサイティングな内容となっているドラムソロを確認!

(01:04-)

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1・2小節目は6連符だけで押し切るタイプのソロ。6連符の1個目と6個目にアクセントをつけ、タムを叩いたりシンバルを叩いたりして変化を付ける。2小節目では、とても人間とは思えないところで左足のハイハットを踏んでいるが、ハイハットオープン+キック→即時ハイハットクローズ、をプレイするときの両足の動きがこんな感じであるために踏んでしまっているだけと思われるのであまり気にしなくてよいだろう。

4小節目ではJBの得意技、フロアタム右手とオープンハイハット左手の術が思わず飛び出す。5小節目、6小節目にかけては、フロアタム右手とオープンハイハット左手、スネア右手とオープンハイハット左手、をポリリズミックに高速で繰り返すフレーズが刺激的である。譜面上赤字にしている音符が、バスドラではなくフロアタム右手となっているのがポイントである。

そして8小節目、怒涛のスネア連打でドラムソロが締めとなる。2拍目は普通に6連打だと思ったのだが、スローで聞いてみたところさらにもう1打スネアの音があり、なんと7回叩いていることがわかった。7連符としてもよいが上記楽譜では32分音符4つで書いている。いずれにせよオルタネート手順で力いっぱいスネア連打をしてもらえばOKである。



そして曲のアウトロに入る直前の部分。これまた大変なことになっている。

(01:48-)

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1・2小節目が基本パターン部分。3・4小節目がアウトロに入るためのウワモノのキメの部分である。この3・4小節目のキメに呼応して変化したドラムがご注目ポイントだ。このテンポで実現してしまうものだから、楽譜の見た目の印象とは違ってほとんど真似が出来ないプレイとなっている。何を言っているのかわからねーと思うが、フィルインだとか一時的なパターンの変化だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ基本パターンから変化しすぎて両足に革命が勃発しているといった状況である。


突然話し変わるが、先日私のバンドが初のワンマンライブを決行した。「ここで使わなきゃいつ使う」とばかりに普段スタジオに持っていかないJBのシグネチャースネアを持参。一般的なスネアの口径14インチよりも口径が小さく(13インチ)、少し胴が深い(6.5インチ)、そして何よりもアピールするのが胴に貼り付けてある巨大な「JB」のマークである。

普段のライブではライブハウスに置いてあるスネアを借りて使っており、ライブハウスによってはヘッドやスナッピーベルトがバカになってて調整が効かなかったりする場合もある。その点やはり自分のスネアを持参しているとひとつ安心。先日のワンマンライブではJBのスネアでJBをイメージしてプレイしたが、果たしてお客さんに届きましたかどうか?!

 

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